パロディとかTwitterネタを収納する部屋
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ひたひたと。素足のままで歩くおとがする。
ここは暗い、昏い…えいえんのたそがれ。
「あなたが」
彼が此処にいるはずはないから、きっとこれは夢だ。
倖せな悪夢だ。
「考えていることを…中てあげましょうか」
すうと透明なほどに真っ直ぐな眼差しに貫かれる。
「へぇ…言ってご覧よ、」
薄らと微笑んで彼女が言葉を紡ぐ。
一瞬視線を向けてからは此方を見ようともせずに、かたく目蓋を伏せたままで。
その余裕に充ちたふうに見せかけた姿が堪らなく苛つく。
私はこれ以上なく現実であるのに、夢だと思っている節があるのに。
すぐそばに、彼を感じる。
ああ、本当に、ほんとうにこれは悪夢だ。
「夢だと思っているんでしょう」
体温の高い、指先が頬に触れる。
ああ、これは、これはかれのゆびだ、かれのゆびさきだ、
間違えるはずがないんだ声変わりをして声が低く掠れても銃を握った堅い指先も!
ひゅ、と細く息を吸いこむ音。
うすあおの視線がしっかりと此方を見て、それでも口許の緩い微笑みは変わらない。
苛つく。そんな。そんなふうに。
そんな、形だけの笑みはいらない。
私は、そんなふうに笑いかけて欲しいんじゃない。
「アクラシエル…?」
今の私は、きっと醜い。
こんなにも苦り切った表情の彼は始めて目にするかもしれない。
いや、苦り切ったというよりはむしろ、心底怒ってそれを噛み潰しているような、
「…いやだな」
爪が頬を滑る。
耳のすぐ下をかすめて、後頭部に届いた掌に髪を玩ばれる。
「私はそんな冷めた笑顔はいらない」
そんな笑顔には意味なんてない。
私が欲しいのはあなたで、くだらない名前も肩書きもあなた以外も総ていらない。
だから諦めて全て捨てて。
「君…大人っぽく、なったね」
戸惑ったような声。そっちのほうが余程まし。
素のままじゃないあなたなんて、壊してあげるから。
彼は、以前こんなふうにこっちを見ただろうか。
あの頃はきらきらと眩しいくらいの光で、こんな、
「…こっちを」
こんな、欲を孕んだ彼の視線は、知らない。
「こっちを見て。話したいことがあるなら」
くん、と髪に滑り込んだ指で外らした目がまた、彼を見ることになる。
あなたはどう思っているのだろうか、なんて益体もないことは考えない。
どうでもいい、そんなことよりなによりあなたがほしい。
女性の髪を乱暴に扱うな、と自分の小さな良心が叫ぶけれど無視をする。
「君…此処にいたら、だめだよ」
澄んだ声はいつだって耳に美しい。
彼の指が、するすると髪を滑って行く。
彼の顔が、吐息も届きそうなくらいすぐそこにある。
彼の髪が、さらさらと真っ直ぐな髪が、カーテンのように視界を遮って、彼しか、見えない。
ああ…だめだ。
こんなにそばにいたら、きっとボクは、削れてなくなってしまう。
戦慄く唇が、見開いて私を見る瞳が、白さを増した肌が彼女を彩る。
いとおしいひと。私の欲しいものすべて。
あなたを手に入れられるならそれを邪魔するものをすべて壊すから。
それが犠牲を含んでも、あなたが手に入るならどうだっていい。
「あなたの髪の1本いっぽんから爪の先まで、私のものだ」
内容と裏腹な、ひどく醒めた声音で彼が言う。
「私以外に感情を動かすことは許さない」
そうして声音を裏切るように、体を滑り降りて行く指先は熱を持って。
「あなたのすべてが、私のもの」
からん、と靴が鳴った。
緩慢に彼女から離れて体を起こす。
持ち上げた膝はそのままで、そっとそこにキスを落とした。
「ちょっ…と、」
ぴくんと白い脛がはねて僅かに抵抗して、それを押さえつけてそのまま唇を滑らせて。
小さな爪先に口付ける。
ちゅ、と足元で小さく音がする。
「その代わりに」
俯いた彼の表情は伺えない。
「私の総てをあなたにあげます」
声色は、穏やかだ。
「私の身体のすべてと心のすべてを、羽根の1本に至るまですべてあなたにあげます」
でも、どうして、
「…怖いの?」
するりと脚が私の手からはなれていく。
代わりに、彼女の顔がそっと近付いてくる。
「震えてるよ」
するりとしなやかな指が私を撫ぜる。
引き寄せて身体を抱けば、百合のかおりがする。
言葉はいらない。あなたがいればいい。
「…会わないほうが、よかった?」
迷子の子供みたいな声。
「私の感情もなにもかもを全部あなたに渡すから、きちんと管理して」
首筋にそっと頭を預けると、仄かに土の匂いがする。
「君が、ボクの気持ちを管理してくれるなら」
そっと、甘やかな声が告げた。
ここは暗い、昏い…えいえんのたそがれ。
「あなたが」
彼が此処にいるはずはないから、きっとこれは夢だ。
倖せな悪夢だ。
「考えていることを…中てあげましょうか」
すうと透明なほどに真っ直ぐな眼差しに貫かれる。
「へぇ…言ってご覧よ、」
薄らと微笑んで彼女が言葉を紡ぐ。
一瞬視線を向けてからは此方を見ようともせずに、かたく目蓋を伏せたままで。
その余裕に充ちたふうに見せかけた姿が堪らなく苛つく。
私はこれ以上なく現実であるのに、夢だと思っている節があるのに。
すぐそばに、彼を感じる。
ああ、本当に、ほんとうにこれは悪夢だ。
「夢だと思っているんでしょう」
体温の高い、指先が頬に触れる。
ああ、これは、これはかれのゆびだ、かれのゆびさきだ、
間違えるはずがないんだ声変わりをして声が低く掠れても銃を握った堅い指先も!
ひゅ、と細く息を吸いこむ音。
うすあおの視線がしっかりと此方を見て、それでも口許の緩い微笑みは変わらない。
苛つく。そんな。そんなふうに。
そんな、形だけの笑みはいらない。
私は、そんなふうに笑いかけて欲しいんじゃない。
「アクラシエル…?」
今の私は、きっと醜い。
こんなにも苦り切った表情の彼は始めて目にするかもしれない。
いや、苦り切ったというよりはむしろ、心底怒ってそれを噛み潰しているような、
「…いやだな」
爪が頬を滑る。
耳のすぐ下をかすめて、後頭部に届いた掌に髪を玩ばれる。
「私はそんな冷めた笑顔はいらない」
そんな笑顔には意味なんてない。
私が欲しいのはあなたで、くだらない名前も肩書きもあなた以外も総ていらない。
だから諦めて全て捨てて。
「君…大人っぽく、なったね」
戸惑ったような声。そっちのほうが余程まし。
素のままじゃないあなたなんて、壊してあげるから。
彼は、以前こんなふうにこっちを見ただろうか。
あの頃はきらきらと眩しいくらいの光で、こんな、
「…こっちを」
こんな、欲を孕んだ彼の視線は、知らない。
「こっちを見て。話したいことがあるなら」
くん、と髪に滑り込んだ指で外らした目がまた、彼を見ることになる。
あなたはどう思っているのだろうか、なんて益体もないことは考えない。
どうでもいい、そんなことよりなによりあなたがほしい。
女性の髪を乱暴に扱うな、と自分の小さな良心が叫ぶけれど無視をする。
「君…此処にいたら、だめだよ」
澄んだ声はいつだって耳に美しい。
彼の指が、するすると髪を滑って行く。
彼の顔が、吐息も届きそうなくらいすぐそこにある。
彼の髪が、さらさらと真っ直ぐな髪が、カーテンのように視界を遮って、彼しか、見えない。
ああ…だめだ。
こんなにそばにいたら、きっとボクは、削れてなくなってしまう。
戦慄く唇が、見開いて私を見る瞳が、白さを増した肌が彼女を彩る。
いとおしいひと。私の欲しいものすべて。
あなたを手に入れられるならそれを邪魔するものをすべて壊すから。
それが犠牲を含んでも、あなたが手に入るならどうだっていい。
「あなたの髪の1本いっぽんから爪の先まで、私のものだ」
内容と裏腹な、ひどく醒めた声音で彼が言う。
「私以外に感情を動かすことは許さない」
そうして声音を裏切るように、体を滑り降りて行く指先は熱を持って。
「あなたのすべてが、私のもの」
からん、と靴が鳴った。
緩慢に彼女から離れて体を起こす。
持ち上げた膝はそのままで、そっとそこにキスを落とした。
「ちょっ…と、」
ぴくんと白い脛がはねて僅かに抵抗して、それを押さえつけてそのまま唇を滑らせて。
小さな爪先に口付ける。
ちゅ、と足元で小さく音がする。
「その代わりに」
俯いた彼の表情は伺えない。
「私の総てをあなたにあげます」
声色は、穏やかだ。
「私の身体のすべてと心のすべてを、羽根の1本に至るまですべてあなたにあげます」
でも、どうして、
「…怖いの?」
するりと脚が私の手からはなれていく。
代わりに、彼女の顔がそっと近付いてくる。
「震えてるよ」
するりとしなやかな指が私を撫ぜる。
引き寄せて身体を抱けば、百合のかおりがする。
言葉はいらない。あなたがいればいい。
「…会わないほうが、よかった?」
迷子の子供みたいな声。
「私の感情もなにもかもを全部あなたに渡すから、きちんと管理して」
首筋にそっと頭を預けると、仄かに土の匂いがする。
「君が、ボクの気持ちを管理してくれるなら」
そっと、甘やかな声が告げた。
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