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パロディとかTwitterネタを収納する部屋
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重い、鉄製の扉が軋みながら開いていく。
その奥に見えたのは小さな部屋と、中央に鎮座する…棺桶。
「…べ、ベタだ…」
確かに吸血鬼といえば棺桶で眠るというのが定説なのだけれど、だからまぁ決して間違ってはいないんだけれど、なんか納得できない!
もちろんプリンセスが眠るようなガラス製ではなく、しっかり木製(たぶん、樫)の棺桶だ。
やたら装飾が施されていて塗装も美しいけれど、立派な棺桶。
…夜の貴族とも称される吸血鬼の寝床とすれば、相応しい…の、かな…
「…なんか、気が抜けちゃったよ」
近づいてよくよく見れば、その棺桶には特に鍵穴は見当たらない。
つまり、持ち上げれば蓋は開く、ようだ。
開けるべきだろうか。
でもなぁ…正直なところ、開けたくない。
怖いし。
吸血鬼が眠っていたら、と考えても恐怖があるけれど、もし納められているのが本物の遺体であったらと思うと…ね。
ミイラとか、出てきたらどうしよう、とか。
まぁ…ここまできてそれはないだろうなという確信めいた思いもあるのだけれど。
でもなぁ。
棺桶を開けるとか、なんか祟られそうじゃない。
とかなんとか胸中でぼやいてはいるけれど、ランプはすでに当たらないような場所に置いてある。
そうしてボクは棺桶の蓋に手をかけるのだ。
「…む…」
お、重い…仕方ないのかな、かなり分厚い上に大きいし…けど、この重さ、なんとかならなかったの…?
ぎぎ、と鈍い音をたてながらゆっくり蓋が持ち上がる。
そういえば、吸血鬼ってどんな姿をしているんだろう…やっぱり夜の眷属らしく、黒髪とか、赤い目なのかな。
死体みたいな青白い肌をしているんだろうか。
「よい………しょ…」
思わず、である。
蓋の縁がボクの顔あたりにくるくらいまで持ち上げて、ふと下に視線を落として。
……後悔をした。
目も眩むような明るい金髪――考えてみてよ、ここは地下で光源は小さなランプひとつだよ?――、決して青白くはない透明感のある肌、固く伏せられた瞼には薄く血管が透けて、髪より少し濃い色の睫毛、おなかの上で組まれた指はすらりと細い。
ああ、これは人形か、と判断してしまいたくなる美しさ。
ボクだって自分の容姿に自信がないわけじゃないけれど、これは…これは、だめだよ。
ほとんど反則だ。
それでも、見つめずにはいられないのだ。
無意識のうちにボクは蓋を上げきって、そろそろと彼に近付いていた。
呼吸をしてない。
本当に人形じゃないのかな、これ…その方が納得できるんだけれど。
そんなことを思いながら、その頬に触れた瞬間に…彼は、その瞼を開いて、ボクを、


見た。



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