パロディとかTwitterネタを収納する部屋
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ぼ、ぼ、と火塊が踊る。
立ち尽くす女性の周りで炎が踊る。
それはあざやかな、実に鮮やかな朱い炎。
「……とりい」
ぶつかる炎が火花を散らす。
あれは、あの火は、
「テンビ、というのをご存知ですか?御巫さん」
彼女は背を向けている。
「夜道を、それはそれは明るく照らすのです」
彼女は背を向けている。
「じゃんじゃんと大きな音をたてることもあって、」
彼女は背を向けている。
「家に入ってくると病人が出るというので嫌われるのです」
振り向いた彼女は――笑っていなかった。
「あの家は天火を追い出さなかったから死に絶えてしまったのですよ」
----------
「#リプ頂いた方の子をお借りして短い文章書きたい」にて、たちさんから。
薫さんと紅葉。シチュエーションは…なんだろね?
立ち尽くす女性の周りで炎が踊る。
それはあざやかな、実に鮮やかな朱い炎。
「……とりい」
ぶつかる炎が火花を散らす。
あれは、あの火は、
「テンビ、というのをご存知ですか?御巫さん」
彼女は背を向けている。
「夜道を、それはそれは明るく照らすのです」
彼女は背を向けている。
「じゃんじゃんと大きな音をたてることもあって、」
彼女は背を向けている。
「家に入ってくると病人が出るというので嫌われるのです」
振り向いた彼女は――笑っていなかった。
「あの家は天火を追い出さなかったから死に絶えてしまったのですよ」
----------
「#リプ頂いた方の子をお借りして短い文章書きたい」にて、たちさんから。
薫さんと紅葉。シチュエーションは…なんだろね?
PR
「…わたくしは」
うつむいた顔に影を落として、銀色の髪の魔女が唇を震わせる。
小柄な魔女に相対する黒衣の男は座って、そっと彼女を見詰めていた。
「魔女になって――ゆるゆると歳をとっていますわ」
さりと彼女が踏み出したちいさな足の下で砂が鳴る。
さり。さり。さり。
彼の膝に触れるか触れないか、そんなぎりぎりで彼女が立ち止まる。
彼が慎重な仕草で手を伸ばして彼女の前髪に触れて、そっと頬を撫でた。
「…つめたい手ね」
彼女の鮮やかな青色の目が哀しげに細められる。
薄桃色の唇は微笑んだまま。
彼の顔を見ないまま。
「わたくしはいつか死ぬ。それは100年か200年あとかもしれませんわ」
そっと彼女が彼の指先を握る。
磨かれた爪が甘く皮膚を掻いた。
「けれどね、それはもしかしたら」
指がするりと絡み合う。
「今日か、明日か、1週間あとか、もしかしたら今こうして貴方とふれあっているときかもしれない」
深く息をもらした彼女が閉じた瞼の、細かく生え揃った睫毛で頬がわずかに翳る。
絡んだ指先がふるり震える。
すこうしだけ指に力が籠って、緩慢に彼女が顔をあげた。
「今更に、わたくしそれが怖いんですのよ」
吐息に含んだ言葉が落ちる。
「貴方を置いて逝くのがとても悲しくてこわい」
----------
肋骨のほうから発掘したやつ
うつむいた顔に影を落として、銀色の髪の魔女が唇を震わせる。
小柄な魔女に相対する黒衣の男は座って、そっと彼女を見詰めていた。
「魔女になって――ゆるゆると歳をとっていますわ」
さりと彼女が踏み出したちいさな足の下で砂が鳴る。
さり。さり。さり。
彼の膝に触れるか触れないか、そんなぎりぎりで彼女が立ち止まる。
彼が慎重な仕草で手を伸ばして彼女の前髪に触れて、そっと頬を撫でた。
「…つめたい手ね」
彼女の鮮やかな青色の目が哀しげに細められる。
薄桃色の唇は微笑んだまま。
彼の顔を見ないまま。
「わたくしはいつか死ぬ。それは100年か200年あとかもしれませんわ」
そっと彼女が彼の指先を握る。
磨かれた爪が甘く皮膚を掻いた。
「けれどね、それはもしかしたら」
指がするりと絡み合う。
「今日か、明日か、1週間あとか、もしかしたら今こうして貴方とふれあっているときかもしれない」
深く息をもらした彼女が閉じた瞼の、細かく生え揃った睫毛で頬がわずかに翳る。
絡んだ指先がふるり震える。
すこうしだけ指に力が籠って、緩慢に彼女が顔をあげた。
「今更に、わたくしそれが怖いんですのよ」
吐息に含んだ言葉が落ちる。
「貴方を置いて逝くのがとても悲しくてこわい」
----------
肋骨のほうから発掘したやつ
「りん!りーん!」
だだだ、足音を抑えることも忘れて鉢植えを手にした少年が屋敷を走り回る。
「力さま、そないに走ったら落としますえ!」
「だいじょぶやー!」
すれ違いざまに言われた言葉に鉢植えを持ち直して、それでそのまま走る。
探しびとを見つけて喜色満面、また声をあげた。
「りん!りん!りんー!」
「…聞こえてる。そう何度も呼ぶな」
「ごめん!みて!」
「あ?」
わくわく、だとか、そわそわ、といった音が似合うような少年――力のずいと差し出した鉢植え。
水を溜める袋を持った食虫植物。
「うつほかずらや!おとんがくれたんや!」
「すげー。珍しいやつだろ?」
「せやねん!せやねん!」
ばんにも見せるんや、嬉々としてまた走り出しそうな力を押さえながら、これって一応愛情なんだよな、と探しびと――厘は思う。
星紫陽花の次期当主が毒に慣らされるように、網倶田の彼が薬や毒についてを学ぶように、にんげんの殺し方を教え込まれている少し年下の柴陽花の子ども。
はしゃぎすぎて幼児返りしたような様子からはそんなこと微塵も思わせないけれど。
「俺も行くから、ちょっと落ち着け。万なら道場だろ」
「おう!」
「落ち着けっつーの!落とすぞ!」
「あかん!」
はっと鉢を抱き締めるようにして力が真面目な顔をする。
引き締めた頬はすぐに緩んだが、それでも落ち着きは取り戻した。
「すごいなぁ、これで虫食うんやで」
「袋の中か?」
「うん。たまに水を足すんやて」
ほてほてとふたり並んで歩いていると、向こう側からもとたとたと足音がして。
「ん、厘に力やん」
「万!見てみて!」
「うぉ、なんやこれ!」
また勢い込んで突き出された鉢植えの、その袋状の捕虫器に。
躊躇なく彼は指を突っ込んだ。
「「あ」」
「うわ中に水入っとる!あははなんなんこれ?」
ちらりと力を見て落胆した様子がないことを確認した厘が、彼――ふたりの主になる、万に冷静に問う。
「万、これがなんだか知ってんのか?」
「え、知らん」
だよなぁ、なんにも考えてない顔してるもんなぁとは口に出さずに、あははと笑う力を横目に、半ば呆れて言う。
「そいつうつほかずらだぞ。その袋で肉を溶かして栄養にするんだ」
虫の、はあえて省いた説明だったが。
「ええええ!?ちょ、なんやそれ!?」
「おい指無事か?ちゃんと6本あるか?」
「ろく!?ちょい待ち……ご、5本しかあらへん!うわぁぁああ!」
「あほや!」
鉢植えを落としそうに大笑いする力と、あっさり騙された万に、こいつらで大丈夫かとからかったことは棚に上げひとり嘆息する厘であった。
――――――――――
RTで見た、ウツボカズラに指を突っ込む子どもと指6本あるか?って聞く父親ネタ。
古杉宅厘くん、さとねえ宅万さま借り。
力はひとり年下なので、少年期はなんとなく子どもっぽさが強いと言うか。
あとつとみや厘くんをちょっと掴みきれてない。
だだだ、足音を抑えることも忘れて鉢植えを手にした少年が屋敷を走り回る。
「力さま、そないに走ったら落としますえ!」
「だいじょぶやー!」
すれ違いざまに言われた言葉に鉢植えを持ち直して、それでそのまま走る。
探しびとを見つけて喜色満面、また声をあげた。
「りん!りん!りんー!」
「…聞こえてる。そう何度も呼ぶな」
「ごめん!みて!」
「あ?」
わくわく、だとか、そわそわ、といった音が似合うような少年――力のずいと差し出した鉢植え。
水を溜める袋を持った食虫植物。
「うつほかずらや!おとんがくれたんや!」
「すげー。珍しいやつだろ?」
「せやねん!せやねん!」
ばんにも見せるんや、嬉々としてまた走り出しそうな力を押さえながら、これって一応愛情なんだよな、と探しびと――厘は思う。
星紫陽花の次期当主が毒に慣らされるように、網倶田の彼が薬や毒についてを学ぶように、にんげんの殺し方を教え込まれている少し年下の柴陽花の子ども。
はしゃぎすぎて幼児返りしたような様子からはそんなこと微塵も思わせないけれど。
「俺も行くから、ちょっと落ち着け。万なら道場だろ」
「おう!」
「落ち着けっつーの!落とすぞ!」
「あかん!」
はっと鉢を抱き締めるようにして力が真面目な顔をする。
引き締めた頬はすぐに緩んだが、それでも落ち着きは取り戻した。
「すごいなぁ、これで虫食うんやで」
「袋の中か?」
「うん。たまに水を足すんやて」
ほてほてとふたり並んで歩いていると、向こう側からもとたとたと足音がして。
「ん、厘に力やん」
「万!見てみて!」
「うぉ、なんやこれ!」
また勢い込んで突き出された鉢植えの、その袋状の捕虫器に。
躊躇なく彼は指を突っ込んだ。
「「あ」」
「うわ中に水入っとる!あははなんなんこれ?」
ちらりと力を見て落胆した様子がないことを確認した厘が、彼――ふたりの主になる、万に冷静に問う。
「万、これがなんだか知ってんのか?」
「え、知らん」
だよなぁ、なんにも考えてない顔してるもんなぁとは口に出さずに、あははと笑う力を横目に、半ば呆れて言う。
「そいつうつほかずらだぞ。その袋で肉を溶かして栄養にするんだ」
虫の、はあえて省いた説明だったが。
「ええええ!?ちょ、なんやそれ!?」
「おい指無事か?ちゃんと6本あるか?」
「ろく!?ちょい待ち……ご、5本しかあらへん!うわぁぁああ!」
「あほや!」
鉢植えを落としそうに大笑いする力と、あっさり騙された万に、こいつらで大丈夫かとからかったことは棚に上げひとり嘆息する厘であった。
――――――――――
RTで見た、ウツボカズラに指を突っ込む子どもと指6本あるか?って聞く父親ネタ。
古杉宅厘くん、さとねえ宅万さま借り。
力はひとり年下なので、少年期はなんとなく子どもっぽさが強いと言うか。
あとつとみや厘くんをちょっと掴みきれてない。
「柚蜜。お前の当主継承権を一時取り上げとする。お前が成人するまでに権利を復活させられなかった場合、百合香が当主となる。私からの話は以上だ」
「……ぇ…?」
締め切られた障子のうすい紙を通して春の陽射しが柔らかく影を落としていた。
正面に座る母の顔が陰って認識できない。
「ど…どういう、ことですか…かあさま」
「言った通りだ、百合香。お前はこれから当主になるため学びなさい」
隣に座った妹の声が震えている。
私はといえば、あまりに唐突な、けれど予想し得たことに頭が真っ白で声すら出すことができなかった。
「…柚蜜」
「…!は、い、おばあさま」
「おまえはちからがある。陰陽寮に入って、修行をするといいよ」
「はい…」
「話は終りだ。下がりなさい」
ぐらぐらとする思考と、覚束ない足元で部屋を出る。
妹の顔はもう白くなるほど血の気が引いていて、かたかたと震えている。
「ゆりちゃ、」
「――っ!」
びくり、と大きく震えた妹が口許を押さえて庭に飛び降りる。
そのまま庭の隅へしゃがみこんで嘔吐く。
咳き込む声。
揺れる呟き。
「な、なんで、なんで私が」
「ゆりちゃん…」
「姉さまの補佐だってずっと言われてたのに…」
「い、いやだ…やだ…当主になんかなりたくない…!」
がつん、と頭を殴られたような気持ちになった。
まだ13になったばかりの小さな妹。
その妹にこんな重荷を押し付けたのは私だ。
私がもっとちゃんとしていれば、この子が重圧に曝されることはなかったのに。
「……ぇ…?」
締め切られた障子のうすい紙を通して春の陽射しが柔らかく影を落としていた。
正面に座る母の顔が陰って認識できない。
「ど…どういう、ことですか…かあさま」
「言った通りだ、百合香。お前はこれから当主になるため学びなさい」
隣に座った妹の声が震えている。
私はといえば、あまりに唐突な、けれど予想し得たことに頭が真っ白で声すら出すことができなかった。
「…柚蜜」
「…!は、い、おばあさま」
「おまえはちからがある。陰陽寮に入って、修行をするといいよ」
「はい…」
「話は終りだ。下がりなさい」
ぐらぐらとする思考と、覚束ない足元で部屋を出る。
妹の顔はもう白くなるほど血の気が引いていて、かたかたと震えている。
「ゆりちゃ、」
「――っ!」
びくり、と大きく震えた妹が口許を押さえて庭に飛び降りる。
そのまま庭の隅へしゃがみこんで嘔吐く。
咳き込む声。
揺れる呟き。
「な、なんで、なんで私が」
「ゆりちゃん…」
「姉さまの補佐だってずっと言われてたのに…」
「い、いやだ…やだ…当主になんかなりたくない…!」
がつん、と頭を殴られたような気持ちになった。
まだ13になったばかりの小さな妹。
その妹にこんな重荷を押し付けたのは私だ。
私がもっとちゃんとしていれば、この子が重圧に曝されることはなかったのに。
「迂闊なことをするなよ?」
腹にめり込んだ膝のせいで逆流した胃液が喉を焼く。
生理的な涙で視界が歪む。
腹を庇って胎児のように丸くなるしかない自分の顎を、剥き出しの爪先が掬った。
そのまま喉を伝い、シャツの内側で尖った爪が皮膚に。
思わず悲鳴をあげそうになって、無理矢理飲み込んだせいで声になりかけた音が零れる。
心臓のすぐ近くが熱い。
ふっと彼が笑みを浮かべた。
「お前は可愛い己れの娘。あいつの血を引く金色。お前がここで己れの機嫌を取るならあいつらに手を出さない。ちゃあんと覚えてるぜ?」
そうだ。
自分ひとりがここに来れば、きょうだいが傷つくことはない。
この人だってそれくらいの約束は守ってくれるはず。
するりと襟元から爪先が抜かれて、僅かに血が滴る。
後で止血をしないと。
みんなに気付かれないようにしないと。
ふたつに分けて結んだ髪の片方を引かれて顔が斜めに持ち上がる。
「お前が黒ひと筋もないあいつそのままの髪だったらもっと可愛がったのになぁ」
見上げた顔はひどくつまらなさそうだった。
見え透いた嘘を言う。
それとも、可愛がる方向が違うのか。
「まぁいいや。行けよ、ソローネ。他の奴らによろしくな」
唐突にぱっと手を離して、興味も失せたとばかりにさっさと背を向ける。
…よろしくなんて言うものか。
あんなのが父親だなんて信じたくない。
----------
ヘルシャフトおとうさんは鬼畜
腹にめり込んだ膝のせいで逆流した胃液が喉を焼く。
生理的な涙で視界が歪む。
腹を庇って胎児のように丸くなるしかない自分の顎を、剥き出しの爪先が掬った。
そのまま喉を伝い、シャツの内側で尖った爪が皮膚に。
思わず悲鳴をあげそうになって、無理矢理飲み込んだせいで声になりかけた音が零れる。
心臓のすぐ近くが熱い。
ふっと彼が笑みを浮かべた。
「お前は可愛い己れの娘。あいつの血を引く金色。お前がここで己れの機嫌を取るならあいつらに手を出さない。ちゃあんと覚えてるぜ?」
そうだ。
自分ひとりがここに来れば、きょうだいが傷つくことはない。
この人だってそれくらいの約束は守ってくれるはず。
するりと襟元から爪先が抜かれて、僅かに血が滴る。
後で止血をしないと。
みんなに気付かれないようにしないと。
ふたつに分けて結んだ髪の片方を引かれて顔が斜めに持ち上がる。
「お前が黒ひと筋もないあいつそのままの髪だったらもっと可愛がったのになぁ」
見上げた顔はひどくつまらなさそうだった。
見え透いた嘘を言う。
それとも、可愛がる方向が違うのか。
「まぁいいや。行けよ、ソローネ。他の奴らによろしくな」
唐突にぱっと手を離して、興味も失せたとばかりにさっさと背を向ける。
…よろしくなんて言うものか。
あんなのが父親だなんて信じたくない。
----------
ヘルシャフトおとうさんは鬼畜