パロディとかTwitterネタを収納する部屋
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ホモイチャだから一応下げる。
フェリくん@酢酸と、声だけペシェさん@あけちゃん。
フェリくん@酢酸と、声だけペシェさん@あけちゃん。
普段はしない葉巻のにおいと煙でいっぱいになった部屋で、彼が微かに笑っていた。
「遊びに来いよ」
その声が時々耳に蘇る。
「いつもすみません、やっぱりここの図書館は揃えがよくて」
「ふふ、構わないよ。勉強熱心なのはいいことさ」
卒業した校舎に足を踏み入れるのは、初めのうちは少しためらいがあった。
けれど何度か来るうちに慣れてきたし、慣れてしまえばそこらの図書館や書店にはない本が置いてある母校の図書館は離れがたい。
こつん、こつんと廊下に足音が響く。
結界に護られた校内は常に至極快適だ。
在学中もよく通った部屋の、素っ気ない扉を横に滑らせる。
ぱっと見た限りでは人気のない室内にこもった、葉巻の匂いが鼻をかすめる。
つられるように1歩、2歩と足を踏み入れて中を見回しても部屋の主の姿は見当たらない。
「……いないのか」
あのひとがいない。
けれど、ゆったりとした煙と、わずかに漂う硫黄のにおいが彼を思わせる。
「いないなら、来てもしょうがなかったかな……」
ほろりとこぼれた言葉が耳に届いて自分でも少し驚く。
会いたかった、のか。
「……帰ろう」
「なんだ、挨拶くらいさせろよ」
「……!」
唐突に聞こえた相手の声。
必要以上に動揺していないだろうか。
情けないほどうろたえながら、それでもなんとか平静を装って振り向こうとする。
……背後から伸びてきた手に阻まれてしまったけれど。
彼の指が喉に触れている。相変わらず体温が高い。
顔がすぐ近くにある。微かな煙の匂いは以前はなかったものだ。
赫い瞳がにやにやと見ている。前より親密な視線だと感じるのは気のせいだろうか。
「久しぶり。髪伸びたな」
喉からするりと顎の線を伝って襟足を撫ぜる。
ちょうど後ろから腕で首を絞められているような形になって、肌の熱さにどきりとする。
「……くさいです」
「葉巻が?硫黄が?」
悔し紛れにもらした言葉に喉の奥で笑いながら返されて、それがまた悔しい。
「っと」
くるりと体の向きを変える。
正面から向き合った彼が、どうした?とでも言いたげに少し首をかしげた。
「タバコ臭い、ですよ」
「そいつは重畳」
くすくすと、楽しそうに笑う姿につられてこちらも笑いがこぼれる。
こめかみから髪を梳くようにして頭を抱え込まれて。
「お前が、外でもおれを思い出すようにと思ったんだがな。どうだった?」
小さなリップ音と、目尻へのキス。
「ちゃんとお前の生活の中におれは影響したか?」
吐息が触れるくらいに近く。
「知りませんよ……」
「じゃあはっきり認識するくらいおれを覚えてろ」
ほんのりと苦い味がした。
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